第138回TOEIC速報:Part 6雑感

 そろそろ「速報」ではなくなってきましたが、2008年5月25日の第138回TOEIC公開テストのPart 6の感想です。

in addition

 接続副詞を選ぶ問題でin additionが正解でした。「それに加えて・さらに」という意味です。前文に あるグループを対象にする情報があり、続けて別のグループを対象にする情報が出てきていたので、<追加>の意味を持つin additionが正解です。ここで、in additionの例文を見ておきましょう。

I enjoy reading comic books. In addition, I like movies.


 in additionのような接続副詞はPart 6で頻出です。『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』ではin additionの同義語のadditionallyが登場していました。その他の接続副詞についてはこちらの記事でまとめて解説しました。

構文の問題

 選択肢に、次のように接続詞や代名詞、関係代名詞が並んでいる問題がありました。

(A) that
(B) them
(C) whom
(D) what


 問題文は次のようになっていました。

〜 indicates ------- SV〜(完全な文)


 ここでは、空欄の直後に構文上欠けている要素のない完全な文が続いていたので、名詞節をまとめる接続詞のthatが正解です。その他の選択肢の代名詞や関係代名詞(もしくは疑問代名詞)は、たとえば目的語や主語の位置が空いていて、名詞を入れる余地がある場合にしか正解になりません。

The report indicates ------- an increasing number of people are taking the TOEIC.
↑空欄の後ろに完全な文が続いているのでthatを入れることができる


The book shows ------- is necessary to get a high score on the TOEIC.
↑空欄はisの主語になるので、whatを入れることができる


Part 5講評はこちら
Part 7講評はこちら



こちらでMorite2さんがPart 5・6の問題をまとめています。





にほんブログ村 英語ブログへ

第138回TOEIC速報:Part 7雑感

e-tsune2008-05-26

 2008年5月25日第138回TOEIC公開テストでの僕のテストフォームは4EIC9でした。このフォームには、シングルパッセージを中心にかなりの長文が含まれていました。時間配分で苦戦された方が多かったのではないかと思います。僕自身、Part 5と6をかなりの超特急で終えてPart 7に1時間近くを確保したのですが、見直しに15分程度取れるだろうという見込みは外れて、時間ギリギリに解き終えました。ですから、僕にとってはかなり手強いPart 7でした。ただし、一問一問のレベルが普段より高かったわけではないので、タイムマネージメントがうまく行った人はそれなりに楽に解けてるかもしれません。逆に時間が足りなくなって取れるはずの問題を落として悔しい思いをされた方もいるでしょう。以下、思いつくままにPart 7を振り返ってみたいと思います。

語彙の問題

 4EIC9では、語彙の問題が2つ出題されていました。promisingmatchです。
 まず、promisingはhopefulが正解です。いずれも、「見込みのある・有望な」という将来の可能性を表します。間違いの選択肢にはguaranteedがありました。これだと「保証されている」という確実性を表します。実現しない余地を残しているpromisingの同義語として不適切です。


 matchに対してはequalが正解でした。matchには、もともと「釣り合いが取れる」というニュアンスがあります。そこから、実力のある人物やその人の能力を目的語に取って、「釣り合いが取れる」→「実力が匹敵する」という意味が出てきます。エッセンスイングリッシュスクールの駆け出し講師だった頃、僕は授業で校長の中村を引き合いに出して次のような例文をよく板書してました。

Everyone agrees Mr. Tsuneno matches Mr. Nakamura in teaching skills.


正解の選択肢equalは動詞として「〜に等しい」→「〜に匹敵する」という意味があるので、matchを置き換えるものとして適切です。

企業から株主への財務報告(シングルパッセージ)

 企業からの財務報告の手紙。読者として意図されているのは誰か? という設問がありました。このような問題では、本文から"you"についての情報をすばやくチェックすることが大切です。今回は、本文にThank you for investing in our stocksみたいな文があったので、問題文はstockholders「株主」に宛てたものであるとわかりました。
 この企業は電機製品を扱う業者のようでしたが、昨年の売り上げナンバーワン商品を問う設問がありました。これが紛らわしかった。まずComputers experienced the most explosive growthみたいな情報があって、思わずcomputersを選びたくなるところ。けど、the most explosive growthっていうのはあくまでも伸び率が一番だったということで、売り上げナンバーワンというのとは違います。それに続けてTelevisions were the most popularみたいな記述があったので、televisionsが正解でした。これ、僕自身、かなり悩みました。

庭の工事代金請求書と苦情の手紙(ダブルパッセージ)

 下の手紙で、6月は3日分作業費が請求されているが、実際には2日しか作業員は来なかった、という苦情が述べられていました。で、When was a service not provided?みたいな設問があって、選択肢には日付が並んでいました。僕はこの問題にものすごく時間がかかりました。はっきりと「この日には来なかった」とは書かれていなかったからです。よく見ると、苦情の手紙で$50を請求から控除せよという要求がありました。上の請求書の3日間の工事についての表を見ると、June 19の料金が$50になってたので、この日にserviceが行われなかったのだろうと推論して、June 19が正解となりました。
 実は、この問題を解きながら、僕はJayさんの3月TOEICについての講評記事を思い出していました。Part 7で否定疑問文が出題される場合、NOTが大文字になっている場合と小文字になっている場合(not)があります。Jayさんの仮説によると、大文字のNOTは「本文に書いていないこと」が正解になる問題(つまり消去法で解く)なのに対して、小文字のnotを含む設問では「ない」ということが本文で示されているのだそうです。この問題でも、本文でJune 19にはサービスが行われていないことが間接的にせよ示されていたからその日が正解となったわけで、Jayさんの仮説が今回の問題でも検証されたのかもしれません。

講演の招待状とそれへの返信(ダブルパッセージ)

 フクオカの研究所に研究者が招待されて講演をするという文脈。講演日はいつか、というような設問がありました。まず、上の招待状で23日または24日という候補が挙げられていて、それに対して講演者はthe earlier dateを好む、と述べていたので、23日が正解です。ここで、earlierという比較級について少し疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。earlierは「より早い(時期の)」という意味だから、23・24日という候補よりも早い日程をリクエストしていると考えたくなるかもしれません。けれども、冠詞に注目してください。the earlier dateです。theがあることによって、限定された2つの候補(23・24日)のうちの早い方、つまり23日を指定していることになります。
 このパッセージについては、フクオカの研究員について何がsuggestされているか、という設問も出ていました。ここでのsuggestはimplyと同じく「示唆する・暗に示す」という意味です。このような言葉が設問に含まれていたら、本文に書かれていることをもとに推論を行う必要があります。下の講演者のメールで、フクオカの講演では背景知識の説明にはあまり時間をかけない、ということが言われていたので、They are familiar with the subjectのような選択肢が正解になってました。「背景の説明はしない→聴衆はテーマに通じている(はず)だから」という推論が必要になる難問でした。


 とりあえず今回はここまで。次はPart 6について書きます。
Part 5講評はこちら
Part 6講評はこちら





にほんブログ村 英語ブログへ

第138回TOEIC速報:Part 5雑感

緑豊かな法政大学多摩キャンパス

 2008年5月25日の第138回TOEIC公開テストを受験された皆さん、お疲れさまでした。僕も、法政大学多摩キャンパスで受けてきました。駅からバスなので不便ですが、緑豊かなところで気持ちよかったです。以下、とりあえずの雑感です(僕の受験したフォームは4EIC9です)。まずはPart 5から。


 3月は全体的にやや難しかったと感じましたが、それに比べれば素直な問題が多かったような気がします。たとえば、both A and Bとか、代名詞の格の問題(ourが正解)のような定番問題も出ていました。at 〜o’clockというような基本的な前置詞問題もありましたね。


 やや難しかったのが、もう1つの代名詞の格の問題。

(A) she
(B) her
(C) hers
(D) herself

のような選択肢が並んでいました。問題文は、↓みたいな感じ。

The new manager is able to do much of the work -------.


これ、herselfが正解です。実はこの文では、by herself「独力で・一人で」のbyが省略されています。同じような問題が『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』でも出題されてますが、byがついていました。byが省略された場合、難問になる傾向があるようです。by oneselfのbyは省略可能だということを覚えておいてください。これについては以前こちらで紹介しました。


 接続詞と前置詞の区別の問題でも少し難しい問題が出ていました。

(A) During
(B) When


このような選択肢が並んでいて、空欄の後ろには〜ingが続いていました。通常、前置詞は名詞または動名詞の前に置く、というルールがあるので、Duringを選ばれた方も多いかもしれません。残念ながら、今回は間違いです。duringの直後には〜ing形を続けないっていうルールがあるからです。この問題は、Whenが正解でした。完成した問題文は接続詞Whenに続く<主語+be動詞>が省略された形になっていました。

ルール:when, while, if, althoughなどに続く副詞節中で<主語+be動詞>を省略できる

While I was taking the TOEIC, I was distracted by some outside noise.



While taking the TOEIC, I was distracted by some outside noise.


この省略が行われると、結果的に<接続詞+〜ing>という語順になります。


 難問をもう1つ。

The schedule should be ------- to.
(A) honored
(B) adhered


意味からすると、どちらでもいいように思えますが、空欄直後のtoがポイントです。この前置詞があるので、他動詞のhonoredは不適切。自動詞のadheredが正解でした。adhere to Aで「A(規則など)を守る」という意味になります。これは、We should adhere to the scheduleという文の受動態バージョンと考えていいでしょう。このように、規則などを「守る」という意味の動詞表現は、前置詞とセットにして覚えておくことが重要です。これについてはこちらの記事でまとめていますので、よろしかったらご覧ください。



 そのほか覚えているものから。TOEIC定番ですが、for the third consecutive yearのconsecutiveを埋めさせる問題が出ていました。これで、「3年連続で」という意味になります。three years in a rowも合わせて覚えておきましょう。ちなみに、これはJayさんの『新TOEIC(R)テスト出まくり英文法(CD付)』のp. 31からズバリ的中です。
 あと、

〜 is subject to change without notice
「〜は予告なく変更されることがあります」


のsubjectを埋めさせる問題も出てました。これは神崎正哉さんの『新TOEIC TEST ウルトラ語彙力主義 [CD付]』p.173にほぼ同じ問題があります。


 このように、難問もある一方で、TOEIC参考書でお馴染みの問題も多数出題されていました。なお、今回Part 5で問題になっていたboth A and Bとin response toはそのままの形でPart 7のパッセージにも登場してました。これも、よくある現象です。


 ほかのPartについても後日アップします(→Part 7講評Part 6講評を書きました)。ぜひ今日の午後7時からのTOEIC Blitz Radioをお聞きください(→終わりました。こちらで音声ファイルがダウンロードできます)。また、カリスマTOEIC講師・花田徹也さんもさっそく今日の講評をアップしてます。





にほんブログ村 英語ブログへ

Yes, We Can!

 いよいよ、あと一晩でTOEICです。僕は前回満点を取れなかったので、今回は気合いを入れて受けます。けど、不安もあります。Part 3で設問先読みのリズムを崩したらどうしよう。Part 5の語彙問題に知らない単語が並んでたらどうしよう。。。
 と考え出したらキリがないので、今日は以前も紹介したオバマ大統領候補のスピーチを聞いて寝ます。



 音楽バージョンもあります↓。


 トランスクリプトはこちらです。
 これは、ニューハンプシャー予備選の結果が判明した後の演説です。実は、この予備選でオバマ候補はヒラリー候補に敗北しました。これはconcession speech(敗北の弁)なのです。そのことが、このスピーチをよりいっそうinspiringなものにしていると思います。個人的にはオバマ候補の政策を支持しているわけではありませんが、この演説は好きです。


 テスト後はぜひTOEIC Blitz Radioをお聞きください。





にほんブログ村 英語ブログへ

Part 7が超長文化する漠然とした予感

 まったく根拠のない虫の知らせですが、2008年5月25日の第138回TOEIC公開テストでは、Part 7の一部のパッセージが超長文化する可能性があるような気がします。さっき『TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉』のTest 2を眺めていてなんだかそんな気がしてきました。
 日曜日のTOEIC、僕も受験します。リーディング・セクションに入ったら、まずやっておきたいことがあります。Part 7をパラパラとめくって、全体の流れを頭に入れておくのです。そうすることで、どのへんに手強いパッセージがありそうかイメージしながらテストを解き進めていくことができます。マラソン選手がコースを事前に把握しておくようなものかもしれません。

TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉

TOEICテスト新公式問題集〈Vol.3〉


 ……って言っといて蓋を開けてみたら超長文なんてなかった、ってことになるかもしれませんね。そしたらTOEIC後のTOEIC Blitz RadioのBBSに「外したね、常野」と愛の書き込みをください。





にほんブログ村 英語ブログへ

日曜日のTOEIC後に、ネットラジオがあります

 いよいよ、第138回TOEIC公開テストが迫ってきましたね。5月25日(日)のテスト後に、神崎正哉さんTOEIC Blitz Radioにてテスト講評番組が放送されます。ネットラジオです。ご自宅のパソコンから、クリックするだけでお聞きいただけます。TOEIC990点保持者数人が出演して、リスナーからのご質問にお答えします。僕も出演させていただきます。

TOEIC Blitz Radio: TOEIC All Stars May 2008
Date: May 25 (Sunday)
Time: 7 p.m.-9 p.m.
Topic: TOEIC May 2008


URL:http://203.131.199.132:8180/TBR
http://203.131.199.132:8180/TBR.m3u
   ↑
放送時間にこのどちらかのアドレスにアクセスすれば聞けます。


BBS: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9131/1211218566/
   ↑
TOEIC All Stars May 2008というタイトルのスレッドです。2008年5月25日の第138回TOEIC公開テストについての質問をお寄せください(日本語可)。


 どうぞお楽しみに!
 

 なお、TOEIC前日の土曜日午前には、神崎さんがリスナーからの質問を受け付けるAny Questions?が放送されます。

TOEIC Blitz Radio presents:Any Questions?
Date: May 24 (Saturday)
Time: 10:45 a.m.-11:45 a.m.
Topic: English
Presenter: Masaya Kanzaki


URL:http://203.131.199.132:8180/TBR
http://203.131.199.132:8180/TBR.m3u
   ↑
放送時間にこのどちらかのアドレスにアクセスすれば聞けます。


BBS: http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9131/1211217984/
   ↑
Any Questions? Saturday 24th May 2008というタイトルのスレッドです。質問をお寄せください(日本語可)。





にほんブログ村 英語ブログへ