第138回TOEIC速報:Part 7雑感

e-tsune2008-05-26

 2008年5月25日第138回TOEIC公開テストでの僕のテストフォームは4EIC9でした。このフォームには、シングルパッセージを中心にかなりの長文が含まれていました。時間配分で苦戦された方が多かったのではないかと思います。僕自身、Part 5と6をかなりの超特急で終えてPart 7に1時間近くを確保したのですが、見直しに15分程度取れるだろうという見込みは外れて、時間ギリギリに解き終えました。ですから、僕にとってはかなり手強いPart 7でした。ただし、一問一問のレベルが普段より高かったわけではないので、タイムマネージメントがうまく行った人はそれなりに楽に解けてるかもしれません。逆に時間が足りなくなって取れるはずの問題を落として悔しい思いをされた方もいるでしょう。以下、思いつくままにPart 7を振り返ってみたいと思います。

語彙の問題

 4EIC9では、語彙の問題が2つ出題されていました。promisingmatchです。
 まず、promisingはhopefulが正解です。いずれも、「見込みのある・有望な」という将来の可能性を表します。間違いの選択肢にはguaranteedがありました。これだと「保証されている」という確実性を表します。実現しない余地を残しているpromisingの同義語として不適切です。


 matchに対してはequalが正解でした。matchには、もともと「釣り合いが取れる」というニュアンスがあります。そこから、実力のある人物やその人の能力を目的語に取って、「釣り合いが取れる」→「実力が匹敵する」という意味が出てきます。エッセンスイングリッシュスクールの駆け出し講師だった頃、僕は授業で校長の中村を引き合いに出して次のような例文をよく板書してました。

Everyone agrees Mr. Tsuneno matches Mr. Nakamura in teaching skills.


正解の選択肢equalは動詞として「〜に等しい」→「〜に匹敵する」という意味があるので、matchを置き換えるものとして適切です。

企業から株主への財務報告(シングルパッセージ)

 企業からの財務報告の手紙。読者として意図されているのは誰か? という設問がありました。このような問題では、本文から"you"についての情報をすばやくチェックすることが大切です。今回は、本文にThank you for investing in our stocksみたいな文があったので、問題文はstockholders「株主」に宛てたものであるとわかりました。
 この企業は電機製品を扱う業者のようでしたが、昨年の売り上げナンバーワン商品を問う設問がありました。これが紛らわしかった。まずComputers experienced the most explosive growthみたいな情報があって、思わずcomputersを選びたくなるところ。けど、the most explosive growthっていうのはあくまでも伸び率が一番だったということで、売り上げナンバーワンというのとは違います。それに続けてTelevisions were the most popularみたいな記述があったので、televisionsが正解でした。これ、僕自身、かなり悩みました。

庭の工事代金請求書と苦情の手紙(ダブルパッセージ)

 下の手紙で、6月は3日分作業費が請求されているが、実際には2日しか作業員は来なかった、という苦情が述べられていました。で、When was a service not provided?みたいな設問があって、選択肢には日付が並んでいました。僕はこの問題にものすごく時間がかかりました。はっきりと「この日には来なかった」とは書かれていなかったからです。よく見ると、苦情の手紙で$50を請求から控除せよという要求がありました。上の請求書の3日間の工事についての表を見ると、June 19の料金が$50になってたので、この日にserviceが行われなかったのだろうと推論して、June 19が正解となりました。
 実は、この問題を解きながら、僕はJayさんの3月TOEICについての講評記事を思い出していました。Part 7で否定疑問文が出題される場合、NOTが大文字になっている場合と小文字になっている場合(not)があります。Jayさんの仮説によると、大文字のNOTは「本文に書いていないこと」が正解になる問題(つまり消去法で解く)なのに対して、小文字のnotを含む設問では「ない」ということが本文で示されているのだそうです。この問題でも、本文でJune 19にはサービスが行われていないことが間接的にせよ示されていたからその日が正解となったわけで、Jayさんの仮説が今回の問題でも検証されたのかもしれません。

講演の招待状とそれへの返信(ダブルパッセージ)

 フクオカの研究所に研究者が招待されて講演をするという文脈。講演日はいつか、というような設問がありました。まず、上の招待状で23日または24日という候補が挙げられていて、それに対して講演者はthe earlier dateを好む、と述べていたので、23日が正解です。ここで、earlierという比較級について少し疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。earlierは「より早い(時期の)」という意味だから、23・24日という候補よりも早い日程をリクエストしていると考えたくなるかもしれません。けれども、冠詞に注目してください。the earlier dateです。theがあることによって、限定された2つの候補(23・24日)のうちの早い方、つまり23日を指定していることになります。
 このパッセージについては、フクオカの研究員について何がsuggestされているか、という設問も出ていました。ここでのsuggestはimplyと同じく「示唆する・暗に示す」という意味です。このような言葉が設問に含まれていたら、本文に書かれていることをもとに推論を行う必要があります。下の講演者のメールで、フクオカの講演では背景知識の説明にはあまり時間をかけない、ということが言われていたので、They are familiar with the subjectのような選択肢が正解になってました。「背景の説明はしない→聴衆はテーマに通じている(はず)だから」という推論が必要になる難問でした。


 とりあえず今回はここまで。次はPart 6について書きます。
Part 5講評はこちら
Part 6講評はこちら





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