法政エクステTOEIC講座(12月11日)フォローアップ
いよいよ、この講座もあと残すところ一回となりましたね。終盤になっても概ね高い出席率が維持されていてうれしいです。基本的にはただひたすらTOEIC対策をやり続けるというタフなコースでしたが、皆さん熱心な授業態度で感激しています。
では、今回の授業について、プラスアルファの学習をしましょう。
himselfなどの再帰代名詞の用法
テキストp 42のQ130(Part 5)には、次のような選択肢が並んでいました。
(A) himself
(B) him
(C) his
(D) he
代名詞の格を選ぶ問題でしたね。この問題では、空欄の直後に注目しました。
...and ------- is...
空欄はisに対する主語の役割を果たすため、主格である(D) heを選びましたね。
さて、正解はそれでいいとして、気になるのが(A)のhimselfです。これは何でしょうか?
himselfは直訳すると「彼自身」という意味になりますが、このようなもののことを再帰代名詞と呼びます。なんだか難しい言葉ですが、これは「自分自身のところに再び帰ってくる代名詞」のことです。
どういうことでしょうか? 手っ取り早く、例文を見ておきましょう。
I rewarded myself by eating chocolate.
(rewad Aは「Aに褒美を与える」という意味)
これ、どんな意味になると思いますか? 10秒考えてみてください。
そうですね、直訳的にはこんな感じですね——「私はチョコを食べることで、自分自身にご褒美をあげた」。
ここでは、rewardedという動作は「私」から出発しているわけですが、結局は再び「私」の元に帰ってきていますね。このような時に用いられるのが、myselfなどの再帰代名詞なんです。
再帰代名詞
myself, ourselves, herself, himself, themselves, itself
このような選択肢が適切かどうか迷ったら、空欄が主語とイコールの関係になってるかどうかをチェックしてみてください。さっきの例文を穴埋め問題の形で再現してみましょう。
I rewarded ------- by eating chocolate.
(A) me
(B) my
(C) I
(D) myself
この文の主語はIですね。選択肢はどれも「私」という意味を持っていますので、空欄には主語のIとイコールの関係になるものが入ります。だから、(D)のmyselfが正解となるんです。
さて、ここまでは入門編。さらにTOEICで頻出の応用的なポイントもチェックしておきましょう。
再帰代名詞の直前にbyをつけると、「自分自身の力で」「一人ぼっちで」という意味になります。例文を見てください。
The student solved the problem by herself.
これは、「その学生は問題を自分の力で解いた」という意味の文ですね。
さて、そのことを確認した上で、次の応用問題を解いてみましょう。上の例文と似ていますが、微妙に変わっているところがあります。
The student solved the problem -------.
(A) she
(B) herself
(C) her
どうですか?
まず、消去法を実行してみましょう。(A)のsheは主格なので、主語の役割を果たしますが、空欄は主語ではありませんね。(C)のherは目的格または所有格です。けれども、空欄の直前では既にSVOの要素が全て揃ってる*1ので、 新たに目的語が入る余地はありません。また、直後に名詞を伴っているわけでもないので、所有格だとも考えることができません。
というわけで、残っている(B)のherselfが正解です。実は、空欄の直前にはby herselfのbyが省略されているんですね。もしこの省略がなければこれは簡単な問題なんですが、TOEICではこのように省略された形で出題されたことがあります。ぜひ、herselfなどの再帰代名詞は、単独でも「自分自身の力で」という意味の副詞として機能し得るのだということを押さえておいてください。そのような場合は、直前にbyが省略されていると考えることができます。
いかがでしたか? では、今学期最後の授業もがんばりましょう。
*1:この文ではThe studentが主語(S)、solvedが動詞(V)、the problemが目的語(O)です。