法政TOEICコース 第6回(11月20日)フォローアップ

 火曜日はお疲れさまでした。今学期の授業を半分以上消化してしまいましたが、おおむね高い出席率で、嬉しいです。ぜひ、最後までがんばっていきましょう。
 さて、今回の授業ではPart 2を扱いました。
 リスニングのTOEICスコアをアップさせるためには、言うまでもなく英語の「音」に慣れていく必要があります。ただし、それだけでは不十分です。
 Part 2では、会話表現についての知識も試されています。TOEICの問題を解いたら、漫然と答え合わせをするのではなく、新しい知識を自分の中にストックしていきましょう。
 では、ここでは、今回のQ20に出てきたWould you mind 〜ing?という表現の重要ポイントをチェックしていきましょう。

Would you mind 〜ing? 「〜していただけませんか」

これは、「〜していただけませんか」という依頼表現ですね。Pleaseで始まる命令文よりも、丁寧な言い方になっています。
 では、Part 2形式の例題を見ておきましょう。

<例題>
Would you mind rescheduling the meeting to Friday?


(A) No, I'll be out of town on Friday.
(B) Actually, Friday is my day-off.
(C) I really enjoyed meeting with you.

いかがですか?
 Would you mind 〜ing?という表現についてまず押さえていただきたいのは、それに対するYes/Noという応答の意味です。「Yes=はい」、「No=いいえ」という日本語のイメージで捉えると、正反対の意味になってしまうので、注意してください。

Would you mind 〜ing?

  • Yes. = 拒絶
  • No. =承諾

Yesは依頼に対する拒絶を、Noは依頼に対する承諾を表します。
 実は、mindという動詞は、もともと「嫌がる・気にする」という意味を持っているんです。だから、Would you mind 〜?というのは、直訳すると「〜するのはお嫌でしょうか」という意味になります。もしお嫌でなければ〜していただきたいのですが、という婉曲的な依頼を表しているんですね。したがって、Yesは「はい、嫌です」(拒絶)、Noは「いいえ、嫌ではありませんよ」(承諾)という意味になります。
 では上の例題の答え合わせを行いましょう。質問者は、会議の予定を金曜日に変更することを依頼しています。
 (A)は、まずNoと言っていますね。これは、金曜日への日程変更を承諾していることになります。ところが、これにI'll be out of town Fridayという発言が続いています。「金曜日には街を離れています」という意味ですね。だとしたら、金曜日に会議に出ることはできないはずです。というわけで、この発言は直前のNoという承諾とは矛盾していることになりますので、(A)は間違いです。
 これに対して、(B)はどうですか? Actuallyに注目してください。これは「実は」という意味ですが、依頼を断る際に、その理由を述べるために使われる表現です。さきほど、Would you mind 〜ing?に対するYesは「拒絶」を表すと申し上げましたが、実はこのYesというのはとっても強い表現です。何しろ、「嫌です」と言うことになってしまいますからね。カドが立ってしまいます。そこで、Would you mind 〜ing?による依頼を断る際には、actuallyのような婉曲的な言い方がなされるのが普通です。
 さて、この(B)では、Actuallyに続けてFriday is my day-offという発言がありますね。「金曜日は休みます」というのは、金曜日に会議を行えない理由として適切です。したがって、この(B)が正解になります。
 いかがですか? ぜひ、この知識を次回のTOEICで活かしてください。
 なお、Would you mind 〜ing?に対して「Yesは拒絶」、「Noは承諾」などと日本語で覚えようとするのは得策ではありません。TOEICの試験会場で「え〜と、Noは承諾だから……」なんて考えているうちに、次の問題が始まってしまいます。
 そうではなくて、Would you mind 〜ing?に対してYesが流れたら、頭の中に「×」マークを点灯させてください。逆に、Noという応答が聴こえたら、「○」マークをイメージします。こうすれば、いちいち日本語で考えなくても、選択肢の正誤が瞬時に判断できます。
 はい、今回はここまでです。また来週お会いしましょう。