獨協大学の皆さん、はじめまして

 獨協大学外国語教育研究所TOEIC講座受講生の皆さん、こんにちは。今日が初回の授業ですね。自宅を出る前にこれを書いています。6月末までの講座です。ぜひ、6月のTOEICを受けてください。TOEIC受験の予定を入れている方が、目的意識を明確にして90分の授業を受けることができるはずです。獨協大生の皆さんは、天野貞祐記念館 3階 ICZカウンターにて受験料割引きで申し込むことができます。
 ではいきなりですが、今日の授業のフォローアップです。
 今日は代名詞の「格」についての問題を扱いました。宿題にしたQ109には、himselfという選択肢が含まれています。himselfは直訳すると「彼自身」という意味になりますが、このようなもののことを再帰代名詞と呼びます。なんだか難しい言葉ですが、これは「自分自身のところにってくる代名詞」のことです。
 どういうことでしょうか? 手っ取り早く、例文を見ておきましょう。

I rewarded myself by eating chocolate.


(reward Aは「Aに褒美を与える」という意味)

 これ、どんな意味になると思いますか? 10秒考えてみてください。






 直訳的にはこんな感じです——「私はチョコを食べることで、自分自身にご褒美をあげた」。
 ここでは、rewardedという動作は「私」から出発しているわけですが、結局はび「私」の元にってきていますね。このような時に用いられるのが、myselfなどの再帰代名詞なんです。

再帰代名詞
myself, ourselves, herself, himself, themselves, itself

 このような選択肢が適切かどうか迷ったら、空欄が主語とイコールの関係になってるかどうかをチェックしてみてください。さっきの例文を穴埋め問題の形で再現してみましょう。

I rewarded ------- by eating chocolate.
(A) me
(B) my
(C) I
(D) myself

この文の主語はIですね。選択肢はどれも「私」という意味を持っていますので、空欄には主語のIとイコールの関係になるものが入ります。だから、(D)のmyselfが正解となるんです。
 さて、ここまでは入門編。さらにTOEICで頻出の応用的なポイントもチェックしておきましょう。
 再帰代名詞の直前にbyをつけると、「自分自身の力で」「一人ぼっちで」という意味になります。例文を見てください。

The student solved the problem by herself.

これは、「その学生は問題を自分の力で解いた」という意味の文です。
 さて、そのことを確認した上で、次の応用問題を解いてみましょう。上の例文と似ていますが、微妙に変わっているところがあります。

The student solved the problem -------.
(A) she
(B) herself
(C) her



 どうですか?
 まず、消去法を実行してみましょう。(A)のsheは主格なので、主語の役割を果たしますが、空欄は主語ではありませんね。(C)のherは目的格または所有格です。けれども、空欄の直前では既にSVOの要素が全て揃ってる*1ので、 新たに目的語が入る余地はありません。また、直後に名詞を伴っているわけでもないので、所有格だとも考えることができません。
 というわけで、残っている(B)のherselfが正解です。実は、空欄の直前にはby herselfのbyが省略されているんです。もしこの省略がなければこれは簡単な問題なんですが、TOEICではこのように省略された形で出題されることがあります。ぜひ、herselfなどの再帰代名詞は、単独でも「自分自身の力で」という意味の副詞として機能し得るのだということを押さえておいてください。そのような場合は、直前にbyが省略されていると考えることができます。


 この他、質問などがあったらお気軽にコメントをどうぞ。これからの10週間、がんばりましょう!




*1:この文ではThe studentが主語(S)、solvedが動詞(V)、the problemが目的語(O)です。