次回のTOEICでは(たぶん)役に立たない話--エッセンス Set C11 Part 7フォローアップ

 今回の問題の5ページ半ばに、次のような文がありました。

Fred… requests that IC Solutions make further changes.


that節内の主語はIC Solutionsですね。これは会社名なので単数扱いになります。itで置き換えることもできます。*1
 さて、ここで疑問なのがmakeの形です。どうして「三単現のs」がついていないのでしょうか?

× Fred… requests that IC Solutions makes further changes.


○ Fred… requests that IC Solutions make further changes.


 鍵は、requestsという動詞にあります。このような動詞がthat節を伴う場合は、その中のv’を原形にするというルールがあります。これを「仮定法現在」と呼びます。

仮定法現在:「要求・要望・提案」を表す他動詞の目的語となるthat節の中で動詞を原形にする


要求: command, order, demand, insist, require
要望: request, ask
提案: advise, recommend, propose, suggest


The company insisted that Jim explain the mistake.*2


 このようなニュアンスも持つ他動詞がthat節を伴う場合、その内容は「〜すべき」という<理想>を表すことになりますね。つまり、まだ<現実>になっていない<仮>の話なわけです。このような情報を示すために使われるのが「仮定法現在」です。


 ・・・・・・っていうのは、数年前までのTOEIC Part 5では超頻出ポイントでした。最近はあまり出ません。ということで、ここまで引っ張っておいて恐縮なんですが、今日のエントリーはスコアアップには直結しません。(個人的には)総合的な英語力を測るのに適した問題タイプではないと思いますので、良い傾向かなと考えてます。ただし『新公式問題集』の第2巻に出題例があるので、出ないという保証もないです。

TOEICテスト新公式問題集〈Vol.2〉

TOEICテスト新公式問題集〈Vol.2〉

 なお、イギリス英語の場合はこのような場合にshouldという助動詞が入ることが多くなっています。

アメリカ英語) The rules require that every member of the department be present at the meeting.


(イギリス英語) The rules require that every member of the department should be present at the meeting.

 TOEICアメリカにあるETSが作成していますが、2006年5月の試験からリスニングのナレーターにイギリス人やオーストラリア人などが加わりました。イギリス英語を意識するようになったことも、「仮定法現在」の出題頻度減少の一因かもしれないですね。




*1:theyで置き換えてもOKです。

*2:会社は、ジムがそのミスについて説明することを求めた。